助言者を選び、小さく試し、すぐ直す
手法を探す前に決めることがあります。誰の話を聞くかです。 ここを間違えると、そのあとの努力が全部無駄になります。 そして残念ながら、まがい物のほうが数が多い。
このページは総論です。助言者の収入源の見方、まがい物を外す3つの見方、 本物にお金を払うときの確かめ方を書いています。 分野ごとの型と数字は、それぞれの編にまとめました。 物販編/フランチャイズ編/投資編/不動産編
同じ本を読み、同じ時間をかけても、結果が分かれます。 差がつくのは能力ではなく、誰の話を土台にしたかです。
間違った相手の話でも、聞いている間は前に進んでいる感じがします。 気づくのは、金と時間を使い切ったあとです。だから最初に決めるべきなのは、 何をやるかではなく、誰の話を聞くかになります。
たとえば、これからビジネスを始めるとします。商売をしたことのない親や知人に相談すれば、 「やめておけ」「簡単には儲からない。必ず失敗する」「会社員のほうがいい」と言われるでしょう。 心配してくれているので、悪意はありません。ただ、その人が知っているのは、会社に雇われて給料を受け取る世界です。
| 聞く相手 | 言うこと | その人の収入源 |
|---|---|---|
| 商売をしていない親や知人 | やめておけ。会社員のほうが安全だ | 給料 |
| 同じ型の商売で利益を残している人 | 小さく、早く始めろ。数字を見て育てろ | その商売の利益 |
| 教えることで稼ぐ人 | 借金してでも売上を作れ。赤字でも売れ | 受講料・教材費 |
| コンサルタント | この分析結果を基に、継続的に伴走して事業を大きくしましょう | 顧問料(毎月の継続課金) |
| 広告代理店・集客代行業者 | 弊社のサービスで集客して、売上高を伸ばしましょう | 運用代行料・広告出稿の手数料(毎月の継続課金) |
下へ行くほど、その助言はあなたの財布から出る金で成り立っています。
一方で、大小にかかわらず商売で利益を残している人なら、若いうちに小さく始めること、 会社員の給料とは別の収入源を作れることを話すでしょう。事業では、売上から仕事に直接必要な支出を差し引いて 利益を計算します。ただし、経費を使えば使うほど得をするわけではありません。 不要な支出をすれば現金は減ります。見るべきなのは売上の大きさではなく、最後に残る利益と資金繰りです。
そして、まがい物は売上だけを大きく見せようとします。「カードで借りて仕入れろ」 「赤字でも売って実績を作れ」と言う人は、あなたの利益ではなく、自分の講座の実績を作ろうとしているかもしれません。
評論家の意見を土台にしない。
これから自分がやろうとしていることを、いま実際にやり、利益を残している人に聞く。
その人が何を勧めるかより、何によって稼いでいるかを見る。
答えは単純です。これからやろうとしていることを、いま実際にやっている人の話を聞く。 それ以外はすべて伝聞です。
ただし、ここに落とし穴があります。業種が同じでも、型が違えば当てはまりません。
分野ごとの型と、その型の人が使う数字は、それぞれの編にまとめました。
| 分野 | 型 | くわしく |
|---|---|---|
| 物販 | せどり型・卸仕入れ型・製造型 | 物販編 |
| フランチャイズ | 一人型・兼業型・店舗型・多店舗オーナー型 | フランチャイズ編 |
| 金融投資 | 長期保有型・短期売買型・証拠金型 | 投資編 |
| 不動産 | 保有型・転売型 | 不動産編 |
必要な資金も、時間の使い方も、出口も別物です。 その分野で成功している人でも、型が違えば当てはまりません。 自分がやろうとしている型と同じ人を選びます。
「その分野で成功している人」では足りない。
自分と同じ型でやっている人でなければ、当てはまらない。
身近な資産家も、世界のお金持ちも、いつも働いています。 お金持ちほど、いつも働いている
本物とまがい物は、話の中身ではなく、話の外側で見分けられます。 以下の3つは、説明会でも本でも動画でも、同じように使えます。
いちばん強い判定です。教えることで稼いでいる人は、教えている商売とは別の商売をしています。
これは非難ではなく、構造の話です。物販の利益率は十数パーセント、 情報を売る商売はほぼ全部が利益として残ります。同じ売上なら、教えるほうが手元に残る。 合理的に選んだ結果、教える側に移っただけです。
問題は、その人がいま実際にやっているのは「教える商売」だということです。 数年前にやっていた商売の話を、いまも通用するかのように語ることになります。
冗談のような話ですが、事実です。 経営を指導するはずの経営コンサルタントが、自分の会社の経営を続けられず、倒産しています。
| 年 | 倒産件数 |
|---|---|
| 2022年 | 96件 |
| 2023年 | 143件 |
| 2024年 | 154件 |
| 2025年 | 170件 |
東京商工リサーチの調査では、2025年の倒産は2006年以降で最多です。 2022年の96件から、わずか3年で170件まで増えました。
もちろん、倒産した会社がすべて同じ商売をしていたわけではありません。 しかし、少なくとも「経営コンサルタント」という肩書は、経営能力の証明にならないことは分かります。
人に経営を教えることが得意な人と、自分の会社で利益を残し、資金を回し続けられる人は、必ずしも同じではありません。 見るべきなのは肩書や年商ではなく、その人が教えている方法を現在も実践し、利益を残し、借金を返しながら商売を続けているかです。
出典:東京商工リサーチ 2025年「経営コンサルタント業」倒産動向。 帝国データバンクの別集計でも、2026年1~5月に倒産74件、休廃業・解散168件、合計242件が確認されています。 「経営コンサルティング業者」の倒産・休廃業解散動向 (両社では集計基準が異なるため、件数の単純比較はできません)。
商売を始めるとき、先に同じ分野で独立していた人に相談していました。 すでにやっている人だったので、話を聞く相手として間違っていないと思っていました。
その人から、資金を貸してほしいと言われました。事業の資金繰りだと聞き、貸しました。 返ってこず、回収には時間がかかりました。
いま振り返れば、相談していた時点で気づけたはずです。 すでにやっている人に見えていましたが、実際はその商売が回っていなかった。 この記事に書いた「収入がどこから出ているか」を確かめていれば、分かった話でした。
「すでにやっている」と「うまくいっている」は別です。やっていることは確かめても、 回っているかどうかは確かめていませんでした。
この件があってから、人にお金を貸すのは、返ってこなくても困らない額までと決めています。 貸すのをやめたわけではありません。金額を決めただけです。 そう決めておくと、断るかどうかで悩まなくて済みます。
くわしくは 失敗談1 先輩にお金を貸して、自分で回収した
もう一つ書いておきます。美味しい話は、外からはやってきません。
私も、ネット集客の営業や、「この仕事は短期間で稼げる」という電話に、 数回だまされたことがあります。どれも向こうから来た話で、こちらが探した相手ではありませんでした。
本当に利益が出る方法を持っている人は、見ず知らずの相手に電話をかけて教える必要がありません。 自分で使えば済むからです。 売り込みに来るということは、その方法そのものより、教えるほうが儲かるということです。
こちらから探して、確かめてから払う。この順番なら、ここに書いた見方が全部使えます。 向こうから来た話には、確かめる時間が与えられません。
失敗談:物販セミナーで、2年かけて気づいたこと/集客の代行に、2年で約¥100万円払った
お役立ち:ネット集客の営業電話は、契約の前に確かめよう
使う数字の種類で、その人が本当にその商売を回しているかが分かります。
| 誰か | その人が使う数字 |
|---|---|
| 実際に回している人 | 原価・粗利・在庫・返済など、自分の型ごとの数字 |
| 教える側の人 | 売上・年商・受講生の実績 |
型ごとにどんな数字が出てくるかは、各編にまとめています。 物販編/フランチャイズ編/投資編/不動産編
売上しか言わない人は、どの型でもありません。 利益の話ができないということは、その商売を回していないということです。 売上と利益を分けずに話すのは、規模を大きく見せたいときの言い方です。
実際にやっている人は、うまくいかない場面を必ず知っています。 「この条件では合わない」「このやり方は使えなくなった」と自分から言えるかどうか。
成功例だけを並べる人は、検証していないか、選んで見せています。 本物ほど、自分の手法の限界に詳しい。
本当にその商売で成功している人の時間は、無料ではありません。 無料で手に入るのは、誰にでも当てはまる一般論までです。自分の資金、地域、経験、使える時間を見たうえで、 「この条件なら試せる」「この数字ならやめたほうがいい」と判断してもらうなら、相手の時間に対価を払います。
払うのは、秘密の情報の代金ではない。
その人の経験を、自分の条件に当てはめてもらう時間の代金である。
しかも、本物の成功者は、あなたを気に入ると、頼んだ範囲を超えていろいろ教えてくれます。 自分が失敗した話、危ない取引先の見分け方、数字のどこを見るか、誰に相談すればいいか。 本や動画には出さない、実際に商売を続けてきた人だけが知っている話です。
お金を払えば、何でも教えてもらえるわけではありません。お金は相談の入口です。 教わったことをすぐ試す。分からないことを自分で調べてから聞く。結果を報告する。時間と約束を守る。 そういう人は「この人なら、もう少し教えても大丈夫だ」と思ってもらえます。
お金を払うのは入口。
教えてもらえる深さは、あなたの姿勢と信頼で変わる。
気に入られようとして、媚びる必要はありません。 教えてもらったことを実行し、結果で返す。それが、本物の成功者から次の話を聞くいちばん確実な方法です。
ロバート・キヨサキも『金持ち父さん 貧乏父さん』の中で、よい専門家には十分な報酬を払う、 という考え方を示しています。これは「高い講座を買え」という話ではありません。 実績のある人の判断を借りるなら、その時間を無料扱いしないということです。 出典:Rich Dad公式公開版 Rich Dad Poor Dad 「Pay your brokers well: the power of good advice」
料金が高いことは、本物の証明にはなりません。 上の条件を確かめたうえで、情報ではなく個別の判断にお金を払います。
本は、人の話が紙になったものです。同じ3つの見方が使えます。 そのうえで、もう1つ足せる基準があります。
10年以上たって、まだ読まれている本。
勝ち方を書いた本は、効かなくなった時点で読まれなくなります。 長く残っている本は、賞味期限のあることを書いていないという証拠になります。
ここから先で、書名に金額が入った本を挙げます。 本文では「帯に金額が書いてある本は見なくていい」と書きたくなるところですが、 それだと粗すぎます。見分けるのは書名ではなく中身です。
書名は出版社が付けます。中身で判断してください。
読んで、いまも役に立っている本だけを挙げます。読んでいない本は挙げません。
稼ぎ方は書いていません。書いてあるのは、どういう捉え方で世の中を見ているかです。 だから古びません。
キヨサキ氏の収入の中心はセミナーと教材です。上に書いた「その1」でいえば、教える側に分類されます。 評判が割れるのも事実です。
それでも挙げるのは、方法ではなく捉え方の本だからです。 具体的な稼ぎ方はほとんど書かれていません。書かれているのは、資産と負債をどう定義するか、 自分がどの立場で稼いでいるかという枠組みだけです。 25年以上読まれ続けているのは、賞味期限のあることを書いていないからだと考えています。
上岡氏の本も同じです。書名に金額が入りますが、1億円を稼ぐ手法の本ではなく、 1億円を稼ぐ人間がどう考えているかの本です。
自分で計算し、自分で検証できるようになる本です。 このサイトの主張は「自分で数字を確かめろ」なので、こちらが本命になります。
夕凪さんの本は2009年です。取引はこの十数年で高速化し、同じイベントを狙う人の数も変わりました。 沢さんの本は2006年で、融資の姿勢も金利も当時とは違います。
同じルールを回して同じ結果が出る保証はありません。 手法には賞味期限があると書いたとおりで、この2冊も例外ではありません。
それでも挙げるのは、手法そのものではなく確かめ方が身につくからです。 ルールを決めて過去に当て、成績を測り、通用しなくなったら捨てる。 数字を並べ、合わなければ買わない。その手順は古びません。
書いてある通りにやるためではなく、自分の手法を作って検証するために読んでください。
投資分野では、パンローリングと日経BPの書籍に当たりが多い印象です。 どちらも、手法の紹介より検証と考え方に紙面を割く本が多いためだと思います。