金を使う前に、頭とAIで小さく試す
商売を始めると、道具や広告を先にそろえたくなります。しかし、客が来るか分からない段階の支出は、利益ではなく撤退費用を増やします。
店舗、設備、広告、在庫、人員。お金を払えば、商売を始めたような形にはなります。 しかし、客が買う理由はまだ何も分かっていません。
最初に必要なのは完成品ではなく、売れるかどうかを確かめる最小の形です。 売れると分かる前に固定費を増やすと、考え直す時間が毎月削られます。
できる限りお金をかけるな。頭を使え。AIをこき使え。
金を使うのは、何に効くか分かってからでいい。
| すぐ買いたくなるもの | 先に頭を使って試すこと |
|---|---|
| 大量の在庫 | 少量販売、予約、受注後の仕入れで需要を確かめる |
| 高額な広告 | 既存客への案内、紹介、無料掲載で反応を見る |
| 専用システム | 表計算や手作業で流れを作り、必要な機能を知る |
| 立派な事務所 | 自宅、間借り、時間貸しで固定費を持たない |
| 最初から人を雇う | 手順を簡単にし、本当に人が必要な作業を見つける |
手作業は、ずっと続けるためではありません。最初に自分でやると、どこが詰まり、どこに金を使えば効果が出るかが分かります。 分からないまま外注すると、不要な作業にも金を払い続けることになります。
いまは、分からないことを全部外注する前に、AIへ何度でもたたき台を作らせられます。遠慮はいりません。気に入らなければ、条件を変えて10案、20案と出させます。
| お金を払って頼みたくなること | まずAIにやらせること |
|---|---|
| 市場調査 | 調べる項目、比較表、検索語、確認すべき一次資料を洗い出させる |
| 商品名や広告文 | 客層と商品の特徴を渡し、複数案を作らせて自分で選ぶ |
| 売上計画 | 原価、固定費、利益率を渡し、必要売上と損益分岐点を計算させる |
| ホームページ | 文章、構成、簡単な試作を作らせ、客の反応を先に見る |
| 作業マニュアル | 自分の手順を整理させ、抜けや重複を指摘させる |
ただし、AIは自信満々に間違えます。AIに決定を任せるのではなく、調査、案出し、計算、試作を何度もやらせるのが使い方です。
AIは先生ではない。
文句を言わず、何度でもやり直す下書き係として、徹底的にこき使う。
仕事に直接必要な支出は、売上から差し引いて利益を計算できます。しかし、¥10,000を使って税金が¥10,000減るわけではありません。 税負担が一部減っても、使った現金の大部分は戻りません。
何にでも金をかけるな、という意味ではありません。事故を防ぐ安全費用、法令を守る費用、 大きな失敗を避けるための専門家への相談料など、先に払う価値がある金もあります。
一方で、見栄のための設備、売れるか分からない在庫、数字を示さない高額講座には急いで払いません。 基準は高いか安いかではなく、その支出で何が分かり、何が改善するのかを説明できるかです。
創業時の現金は、失敗を直すための回数券です。¥100,000を一度に使えば試せるのは1回ですが、 ¥10,000ずつなら10回試せます。最初から正解を当てるより、10回直せるほうが強い。
節約の目的は、金を使わないことではない。
本当に効く場所が分かるまで、金と選択肢を残すことである。