表面利回りは、満室で経費ゼロの数字
物件情報に「利回り15%」と書いてあっても、その数字のまま家賃が残るわけではありません。表面利回りと実質利回りの計算を、同じ物件で順番にやり直します。私は物件の紹介メールが届くたびに、この計算をし直しています。
物件情報の利回りは、ほとんどが表面利回りです。
表面利回り = 満室のときの年間家賃 ÷ 物件価格
この式には、次のものが入っていません。
つまり表面利回りは、ずっと満室で、経費が1円もかからない場合の数字です。
例として、次の物件で計算します。実在の物件ではなく、計算のためのモデルです。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 物件価格 | 350万円 |
| 満室のときの家賃 | 月4.5万円(年54万円) |
| 物件情報の利回り | 15.4% |
ここに、次の仮定を足します。
| 仮定 | 置いた数字 |
|---|---|
| 買うときの諸費用 | 物件価格の7% |
| 空室 | 家賃の10%(1年のうち約1か月強は空く) |
| 経費 | 入ってきた家賃の20% |
順番に計算すると、こうなります。
| 段階 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 実際に払うお金 | 350万円 × 1.07 | 374.5万円 |
| 空室を引いた家賃 | 54万円 × 0.9 | 年48.6万円 |
| 経費を引いた手残り | 48.6万円 × 0.8 | 年38.9万円 |
| 実質利回り | 38.9万円 ÷ 374.5万円 | 約10.4% |
表面の15.4%が、仮定を3つ置いただけで約10.4%になりました。5ポイント下がっています。
もう一つ確かめることがあります。物件情報の家賃が、その地域で実際に取れる家賃かどうかです。
モデルの物件で、近くの古い戸建ての相場が月3.8万円だったとします。
| 家賃 | 表面利回り | 実質利回り |
|---|---|---|
| 物件情報の家賃 月4.5万円 | 15.4% | 約10.4% |
| 相場の家賃 月3.8万円 | 13.0% | 約8.8% |
家賃の見込みが月7,000円違うだけで、実質利回りはさらに1.6ポイント下がります。
計算に入らないものもあります。物件情報の小さな字の欄に書かれていることが多いので、必ず読みます。
| 書かれていること | 意味 |
|---|---|
| 再建築不可 | 建て替えられない。売るときの買い手が限られ、融資も付きにくい |
| 空室・想定賃料 | 家賃はまだ入っていない。入居者を探すところから始まる |
| 現況渡し | 壊れているところも、そのまま引き渡される。直す費用は買う側が持つ |
| 接道の条件 | 道路に接する幅が足りないと、再建築不可と同じ問題が出る |
私は戸建てを現金で買い、手を入れられるところは自分で直しています。その分、修繕の経費は人より小さく見積もれます。自分で直せない人は、経費の割合を大きく置いて計算しましょう。
空室10%・経費20%・諸費用7%は、この記事で置いた仮定です。地域や物件で変わるので、自分の数字に置き換えて計算しましょう。