売上の願望ではなく、残したい利益から逆算する
「月商100万円を目指す」だけでは、その商売で生活できるか分かりません。先に必要な営業利益を決め、そこから売上高を逆算します。
https://iyaiyamatte.com/plan/売上高は、客から受け取った金額です。そこから仕入れや材料費などの変動費、家賃や人件費などの固定費を引いたものが、 ここで考える営業利益です。
同じ月商100万円でも、営業利益率が5%なら残るのは¥50,000、30%なら¥300,000です。 売上の大きさだけで商売の良し悪しは判断できません。
まず、費用を2つに分けます。商品が売れるほど増える仕入れ、材料費、販売手数料などが変動費。 売上がゼロでも発生する家賃、基本料金、固定給などが固定費です。
売上高から変動費を引いたものを限界利益といい、売上高に占める割合を限界利益率といいます。
売上が増えるほど、一緒に増える費用の割合です。仕入れ、材料費、販売手数料、決済手数料、 1件ごとに発生する送料や外注費などが該当します。
たとえば¥10,000売るたびに、仕入れ¥5,000、販売手数料¥1,000、送料¥500がかかるなら、 変動費は¥6,500。変動費率は¥6,500÷¥10,000=65%です。 残る¥3,500が固定費と利益を生むための限界利益で、限界利益率は35%になります。
変動費率 = 変動費 ÷ 売上高 × 100
限界利益率 = 100% − 変動費率
営業利益がゼロでよければ、固定費 ÷ 限界利益率が損益分岐点売上高です。 しかし、赤字でなければ成功というわけではありません。生活費、税金、借入返済、次の投資に必要な金を考え、目標営業利益を置きます。
簡易計算です。住宅・自動車・創業融資は返済額全体を資金繰り用に入力しますが、 返済額のうち元金部分は会計上の営業経費ではありません。そのため事業固定費と分け、必要営業利益から払う資金として計算しています。 二重計上せず、入力金額は税込・税抜のどちらかに統一してください。
例として、電気・水道・通信などの事業固定費合計が¥200,000、変動費率60%、 返済後に残したい金が¥300,000でローン返済がなければ、必要営業利益は¥300,000、限界利益率は40%です。 必要売上高は(¥200,000+¥300,000)÷40%=月¥1,250,000になります。
平均客単価が¥5,000なら月250件。月25日営業なら1日10件です。 ここまで分解すると、その計画を自分1人で実行できるか、設備や人員が必要かを判断できます。
計算上必要な売上高と、実際に作れる売上高は別である。
必要件数をこなせないなら、気合ではなく、単価・変動費・固定費・目標利益のどこかを直す。
| 計画 | 考え方 | 使い道 |
|---|---|---|
| 最低 | 損益分岐点を超えられる売上 | 赤字を止める基準 |
| 標準 | 無理なく繰り返せる売上 | 毎月の行動計画 |
| 目標 | 必要な営業利益が残る売上 | 成長と投資の判断 |
最初から目標計画だけで資金繰りを組むと、少し売れなかっただけで現金が尽きます。 最低計画でも固定費を払えるか、標準計画で生活を続けられるかを先に見ます。
営業利益がそのまま自由に使える金になるわけではありません。税金、社会保険、借入元金の返済、設備購入などで現金は出ていきます。 営業利益の計画とは別に、毎月の入金と支払いを並べた資金繰りも作ります。
個人事業主本人の生活費は、人件費として営業経費には入りません。 そのため、生活に必要な金、税金や社会保険、返済、再投資分を考えて、目標営業利益を決めます。
開業前の原価率や客単価は仮説です。実際に売ったら、売上高、変動費、固定費、作業時間を記録し、 計算機へ入れ直します。数字が変われば、必要件数も変わります。
ビジネスプランは、融資を受けるための作文ではない。
いくら売れば、いくら残るかを判断するための道具である。
参考:中小企業基盤整備機構 J-Net21 損益分岐点を使った目標売上高、 日本政策金融公庫 創業計画Q&A、 中小企業庁 令和7年中小企業実態基本調査確報(令和6年度決算実績)。 業種別利益率は法人企業の業種別合計から当サイトが計算した平均であり、個人事業や創業直後の利益率を保証するものではありません。