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待ったをかける歌舞伎役者

契約書は、やめるときの条件から読もう

契約書で一番大事なのは、始めるときの条件ではなく、やめるときの条件です。

契約書は、うまくいっているときには読み返しません。読み返すのは、やめたいときです。 だから読むべきところは、加盟金の額ではなく、途中でやめたらいくらかかるのか、やめたあと何が禁止されるのかです。

法律で開示が義務づけられている本部と、そうでない本部

中小小売商業振興法という法律があります。この法律の対象になるフランチャイズ本部は、 契約の前に、決められた事項を書いた書面を渡して説明する義務があります。書面に書かれるのは次の事項です。

出典:中小小売商業振興法 第11条 e-Gov法令検索

ただし、この法律が対象にしているのは、条文のうえでは 「商品を販売し、又は販売をあつせんし、かつ、経営に関する指導を行う事業」です。 商品を売らず、作業や役務だけを提供するフランチャイズは、この開示義務の対象に入っていません。 清掃、修理、リフォーム、介護、マッサージといった業種がこれにあたります。

対象外の本部が書面を出してはいけない、という意味ではありません。 出す義務がない、というだけです。 書面が出てこなかったら、上の6項目を自分から質問して、答えを書面でもらってください。

公正取引委員会が「問題になりうる」と書いている募集のしかた

公正取引委員会は、フランチャイズ本部の募集について考え方を公表しています。 そこで、加盟者を集めるときに問題になりうる例として挙げられているのが次のものです。

予想売上を示すなら「類似した環境にある既存店舗の実績等根拠ある事実、合理的な算定方法等に基づくことが必要」で、 「根拠となる事実、算定方法等を示す必要」があるとされています。

出典:公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(令和3年4月改正) jftc.go.jp

裏返せば、説明会でモデル年収を見せられたら、「どの店の、いつの実績ですか」「算定方法を書面でください」と聞いていい、ということです。 答えが返ってこない本部は、公正取引委員会が問題になりうると書いている募集のしかたをしている可能性があります。

契約書で、線を引いて読むところ

私が加盟店として契約書を読み返したときに、読んでおけばよかったと思ったところです。

項目確かめること
契約期間と更新何年で、更新のときに更新料がかかるか。更新を本部が断れる条件は何か
中途解約途中でやめるとき、いくら払うのか。残りの契約期間分のロイヤリティを請求されないか
競業避止やめたあと、同じ商売を何年、どの範囲で禁止されるか。やめても同じ仕事ができないなら、それは辞められない契約です
テリトリー自分の商圏に、同じチェーンの店を本部が出せるかどうか。口頭の約束は契約書に無ければ無いのと同じです
本部からの注文本部が集めた注文を回すときの手数料の率。ロイヤリティとは別に引かれるか
仕入れの縛り指定の仕入れ先しか使えないか。市価より高くても買うことになるか
解除の条件本部の側から契約を切れる条件。何をすると切られるのか

契約書は、その場でサインするものではありません。持ち帰って、 よろず支援拠点か、フランチャイズ契約を扱ったことのある弁護士に見てもらってから、判断してください。 相談は無料です。契約書を持ち帰らせてくれる本部かどうかも、見ておくところです。