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待ったをかける歌舞伎役者

蓄電池は、元が取れるのか

卒FIT後に勧められたら、先に計算する

わが家の屋根には太陽光パネルが載っています。国の買取期間はもう終わりました(卒FIT)。そうなると「余った電気を安く売るより、蓄電池に貯めて使いましょう」という話が来ます。私は蓄電池を入れていません。計算すると、元が取れないからです。

1. 蓄電池で得をするのは「単価の差」だけ

卒FITのあと、余った電気は電力会社が安く買い取ります。大手の例では1kWhあたり8.5円(税込)です。

一方、電力会社から買う電気は、ここでは1kWhあたり30円と置きます。

1kWh貯めて使うと得をする額 = 買う単価 - 売る単価 = 30円 - 8.5円 = 21.5円

蓄電池は電気を作りません。安く売るはずだった電気を、高く買うはずだった電気の代わりに使う。その差額だけが得になります。

2. 1年で、いくら得をするか

容量10kWhの蓄電池で、毎日4kWhを貯めて夜に使うとします。

項目計算結果
1日に得をする額4kWh × 21.5円86円
1年に得をする額86円 × 365日約3.1万円

雨の日や冬は、そもそも余る電気が少なくなります。毎日4kWh貯められるという仮定は、甘めです。

3. 何年で元が取れるか

蓄電池の値段は、工事費込みで1kWhあたりいくらかで比べます。10kWhの場合で並べます。

工事費込みの値段10kWhの総額元が取れるまで
1kWhあたり7万円70万円約22年
1kWhあたり10万円100万円約32年
1kWhあたり13万円130万円約41年

メーカーの保証は、10年から15年です。標準で15年の保証を付けている例もあれば、標準は10年で、申し込むと15年になる例もあります。保証規定には、貯められる量が最初の60%を下回ったら交換する、という書き方のものもあります。使っているうちに、貯められる量は減っていきます。

保証の15年のうちに元を取るには、10kWhで約47万円以下(1kWhあたり約4.7万円)でないと届きません。

4. 補助金と停電対策

国や市町村の補助金が出ることもあります。ただ、国の補助金は予算に届くと締め切られ、市町村の補助金には上限が数万円のものもあり、上の表の年数を大きく縮めるほどではありません。

「停電のときに使える」という理由もあります。これはお金の計算とは別の話です。停電のときに何を何時間動かしたいのかを先に決め、それに見合う大きさを選びましょう。パソコンや通信機器を守るだけなら、もっと小さな予備電源で足ります。

5. 勧められたら、確かめること

  1. 今の買取単価(売る単価)と、買っている電気の単価を、明細で確かめる
  2. 1日に余っている電気が何kWhあるかを、実際の数字で確かめる
  3. 工事費込みの総額を、容量(kWh)で割る
  4. 「単価の差 × 1日に貯める量 × 365日」で1年の得を出し、総額を割って年数を出す
  5. その年数を、保証の年数と比べる

「電気代がゼロになります」「売電より得です」という言葉だけで決めず、年数で比べましょう。