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待ったをかける歌舞伎役者

ポイントせどりの帳簿

粗利29.1%でも、営業利益は-1.2%

個人でAmazonに出品していた、ある1年分を部門別に集計しました。粗利には、商品の売買差益だけでなく、仕入れで得たポイントも収益として含めています。

1. 私の帳簿では、こうなっていた

項目対売上
粗利(獲得ポイント込み)29.1%
荷造運賃11.7%
販売手数料11.4%
その他経費7.3%
営業利益-1.2%

ポイント込みの粗利が29.1%あっても、営業利益はマイナスでした。送料と販売手数料だけで売上の23.1%が消え、その他経費まで引くと、ポイントで作った粗利も残りません。

ポイントを後から足して黒字になる計算ではありません。表の29.1%がすでにポイント込みです。ポイントを除けば採算はさらに悪くなります。

ここでの粗利は、税務上の勘定科目ではなく、ポイントせどり部門全体の採算を見るための集計です。

2. 再現性は、プラットフォーム側に握られている

ポイントの還元率は、私が決めているのではありません。プラットフォームの販促予算です。制度が変われば、翌月から赤字の側だけが残ります。

「月商¥100万円」「年商¥1億」と語られても、その利益がどこから出たのかは分かりません。還元率の高かった時期の実績を、いつでも再現できるように見せることもできます。

3. 誰でも真似できるから、値崩れする

ポイントせどりは、ECサイトや実店舗で商品を買ってAmazonで売ります。特別な仕入契約も製造設備も必要ないため、参入障壁が低く、同じ商品を誰でも買って真似できます。

新参セラーでも利益商品を売り始めると、価格追跡をしている人に見つかります。セラーリストに登録され、同じ商品を仕入れる参入者が増えると、出品者の増加と値下げ競争で、利益商品があっという間に赤字商品へ変わります。

さらに、物販講師が生徒に紹介するリストへ入ったり、YouTube動画で自分が取り扱っている商品を「利益商品」として紹介されたりすると、参入者が一気に増えます。あっという間に値崩れを起こし、大赤字へ転落します。

現金で仕入れ、在庫を半年ほど抱えていられるなら、価格が戻る時期を待つ方法もあるのでしょう。しかし、カードで仕入れたスクール生には翌月の支払いが来ます。値段が戻るまで待つ余裕はありません。たまったものではありません。

そこで物販講師に相談すると、次のような助言を受けました。

赤字でも売って、資金を回してください。
どれだけ多くの資金が自分の上を通過したかが、成功するかどうかの決め手です。

いやいや待って。それでは、商売の基本を無視しています。

資金回転が大切なのは、1個売るごとに利益が残る場合です。1個売るごとに¥100の赤字なら、¥100 × 100個で損失は¥1万円。回転を2倍にすれば、現金が減る速さも2倍です。

黒字の商品は、回すほど現金が増える。
赤字の商品は、回すほど現金が減る。

4. ポイントせどりは、いまもやっている

ポイントせどり自体をやめたわけではありません。やめたのは、ポイントせどりで仕入れた商品をAmazonで販売することです。現在は、仕入れた商品を本業である建設業の資材として使っています。

店舗でポイントせどりをしたほうが、卸業者から仕入れるより安いこともあります。そこで、店舗の販売価格、獲得ポイント、卸価格、送料をAIで常に比較し、実質仕入値が安いほうから購入しています。「卸だから安い」「小売だから高い」とは限りません。

商品の使い道利益の出かた
Amazonで再販売販売価格は相場と競合に左右され、送料と手数料もかかる。私の実測では営業利益-1.2%
建設業の資材として使用ポイントで実質的な資材原価を下げ、工事の販売価格を自分で組み立てられる。本業の粗利率は約85%

同じ商品を仕入れても、Amazonで販売すれば赤字か、よくてもトントン程度です。しかし、本業の資材として購入すれば、材料単体の相場ではなく、工事として提供する価値を含めて販売価格と利益率を自分でコントロールできます。

同じポイントせどりでも、どこへ売るか、何に使うかで利益率は変わる。
Amazonで商品を横流しするより、本業の付加価値へ組み込んだほうが利益になる。

何でも、やり方次第です。ポイントせどりそのものが悪いのではありません。Amazonで再販売して利益が残らないなら、利益を残せる使い道へ変えればいいのです。

5. 月商は、カード枠で作れてしまう

Amazonでポイントせどりをしていた時期は約1年間で、その月商は最大¥150万円ほどになりました。

さらに、利益を無視してカード枠を全部仕入れに使えば、月商数百万円も作れます。私のカード枠を全部使うと、仕入れは月¥800万円ほどです。仕入額に近い値段で在庫を毎月売り切れたと仮定すれば、計算上はこうなります。

月商約¥800万円 × 12か月 = 年商約¥9,600万円

もちろん、私は絶対にやりません。これは稼いだ金額ではなく、カードの支払債務と在庫リスクを使って作った売上です。赤字販売、値下がり、返品、売れ残り、入金の遅れが1つ起きるだけで、翌月の支払いが危うくなります。

売上実績だけなら、カード枠と赤字覚悟で買えます。だから月商や年商を見せられたら、営業利益と現金がいくら残ったのかまで聞かなければ意味がありません。